2012年1月27日金曜日

輝ける碧き空の下で:輝ける碧き空の下で:北杜夫




明治後期、日本からブラジルへ渡った移民の話。主として第一部は移住直後、第二部は第二次大戦中が舞台。読み物としてとても面白く、スケールの大きさに加え、その生活の厳しさ、苦労が伝わってはくるが全体的にどこか牧歌的な雰囲気を感じた。あとがきも含めて最後まで読むことでその理由の一端がなんとなく理解できたつもり。これを読みながら思い出したのは10年近く前に読んだ下記の作品。これは第二次大戦後のブラジル移民と現代日本をつなぐストーリーで、妙なリアリティーで綴られている。舞台となる時代は異なるが同じテーマを扱っても作者によりずいぶんと出来上がりが変わってくるということを感じさせられた。時代の差か、世代の差か、執筆時の作者の年齢によるものか、、、いずれにせよどちらも印象に残る作品。「ワイルド・ソウル」、もう一度読み直そうかと部屋の中を探すも散らかりすぎて発見できず。

ワイルド・ソウル:垣根涼介

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